静岡地方裁判所沼津支部 昭和40年(ワ)158号 判決 1967年10月23日
主文
(1)原告が別紙目録記載の宅地及び建物につき所有権を有することを確認する。
(2)被告島津急送株式会社は原告に対し別紙目録記載の宅地及び建物につき所有権移転登記手続をなせ。
(3)訴訟費用は被告等の負担とする。
事実
原告は主文同旨の判決を求め、その請求原因として
一、別紙目録記載(1)の建物は昭和三七年、同(3)の建物は昭和三八年にそれぞれ原告がこれを建築してその所有権を取得し、同(2)の宅地は原告において昭和三六年二月頃訴外市川泰作よりこれを買受けてその所有権を取得したものである。
二、原告は当時実弟の訴外室伏教弘が代表取締役をしていた被告会社を実権をもつて経営していた関係上、登記薄上は右各建物については被告会社の名において所有権保存登記をなし、右宅地については被告会社を買主として所有権移転登記を経由した。
三、被告会社は昭和三九年九月二九日同会社の営業全部を被告杉山に譲渡したが、その際右宅地及び建物を除外し、右宅地及び別紙目録記載(3)の建物を賃料一ヶ月二〇、〇〇〇円で同被告に賃貸した。
四、しかるに、被告会社は別紙目録記載の宅地及び建物は被告会社の所有に属するものであると主張し、被告杉山はこれらの宅地及び建物は自己が譲受けたものであると主張して共に原告の右宅地及び建物についての所有権を争うので、被告等両名に対しては所有権の確認を求め被告会社に対してはこれが所有権移転登記手続を求めるため本訴に及ぶと陳述し
五、被告等の答弁に対し、第二項の事実は認めると述べた。
六、証拠(省略)
被告等はいずれも原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とするとの判決を求め、答弁として
一、原告の主張事実中、別紙目録記載(2)の宅地がもと訴外市川泰作の所有であつたこと、原告の実弟訴外室伏教弘が原告の主張当時被告会社の代表取締役であつたこと、別紙目録記載(1)(3)の各建物及び同(2)の宅地につき被告会社の所有としていずれも原告主張のような登記がなされていること、被告杉山が原告主張の日に被告会社よりその営業全部の譲渡を受けたこと、被告杉山が右宅地及び(3)の建物を原告主張の賃料で賃借したことは認めるが、その余の事実は全部これを否認する。右各建物及び宅地は名実ともに被告会社の所有に属するものである。
二、被告杉山は被告会社の営業を承継することを止めこれを訴外友重重信に譲渡し、同訴外人は右譲渡を受けると同時に原告や被告会社の当時の代表取締役室伏教弘の所有していた株式等被告会社の株式全部を取得して被告会社の代表取締役となり今日にいたつているものであると述べた。
三、証拠(省略)
(別紙)
目録
(1) 静岡県三島市南本町四二六番の二、同番の三
家屋番号南本町第四二六番の二
一、木造亜鉛メツキ鋼板葺二階建店舗兼居宅一棟
床面積 一階二二坪九合一勺
二階二六坪二合九勺
(2) 同市玉川字反り田六一番の三
一、宅地 九〇坪
(3) 同市玉川字反り田六一番の三
家屋番号玉川第六一番
一、木造亜鉛メツキ鋼板葺二階建事務所並倉庫一棟
床面積 一階二一坪七合四勺
二階一五坪四合九勺